シティボとインディロックのお部屋

90's以降のオルタナ、インディロック中心のレビューブログ。UKギターロック、グラスゴー、USインディ成分多め。

Everything At Once / Travis (8th Album)

★★★★★ 叙情派バンドの肩書きはとっくに卒業。聴かせる曲はそのままに、Travis充実の最新アルバム。

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(出身はグラスゴー)英国の国民的バンド、Travis(トラヴィス)が2016年にリリースした8枚目のアルバム。全10曲とコンパクトであっという間。トラヴィスの過去作よりも曲のバラエティに富んでる。シンセが大胆に使われてたり、エレクトロっぽい曲があったり。でも、幹となるトラヴィス節は健在。かつては、セルアウトする前のコールドプレイと一括りで叙情ロックなるカテゴライズをされてたけど、そんなの今や大昔。

余裕を持って振れ幅を大きくしてみました、って感じのアルバム。スタートと締めの曲は、しっとり聴かせるいつものトラヴィス節。そして、マグニフィセント・タイム。ここまでポップな曲はトラヴィス初じゃないか。Happyよりも陽性。最高。

 

もう1年以上前。ライブも最高だった。フランが仙人みたいになってたのと、みんな仲よさそうだったのが印象に残ってる。クローサーの合唱がすごく綺麗だった。

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フラン、客席乱入からの肩車で歌うという大サービス。神か。

 

オススメ ①②③④⑦⑧⑩

#1 What Will Come

 

#2 Magnificent Time 

好きなようにふざけてみたんだね、きっと笑

 

#7 3 Miles High

Cleopatra / The Lumineers (2nd Album)

★★★★★ 21世紀もフォークは健在。ルミニアーズが紡ぐ希望のメロディ。

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2016年リリースのUS出身のフォーク・ロックバンド、The Lumineers(以下ルミニアーズ)のセカンドアルバム。売れに売れたファーストアルバムから、2枚目のジンクスもなんのその、成熟を感じさせる良作。マムフォード&サンズとまとめてネオ・フォーク系と括られることが多いが、ジャンル名はさておき誰にでも勧められるグッドミュージック。1stよりも一聴したときのキャッチーさは少し減ったけど、リピートするとじわじわくるスルメ盤。マムフォード&サンズ好きなら絶対いける。CDは国内盤がオススメ。なぜなら、ボーナストラック3曲のうち2曲が良曲なのと、歌詞をじっくり味わいながら聴くと良さが倍増するアーティストだから。

このアルバムを聴くたび、去年の来日公演に行かなかったことを今でも後悔する。。

ルミニアーズのアルバムはこのクレオパトラもファーストアルバムもどっちも良い。とにかく必聴。


①②③④⑥⑦⑩⑫⑬ がオススメ。(ほとんど)

 


#1 Sleep On The Floor

自分の人生だから、自分で決めるんだ!的なとても素敵な曲。この1曲でもアルバムを買う価値がある。

さぁ予定調和の日々を抜け出そう。このまま今の延長で生きるだなんて僕はゴメンだ。ママに無事だとメモを残したら、貯金やお気に入りの歯ブラシとブラウスをパッキングして、この街を出て行こう。その日暮らしにサヨナラさ。

毎日、気分が乗らなくて、会社休もっかなーっていうような気だるい1日の始まりを表すような音とリズムで始まる。少しずつ曲の中盤から体が起きてくる感じとリンクしてるような。おぉ、なんか胸が震える。ハッピー、いぇーい!みたいな曲を朝から毎日は聴けないもの。朝練に行くならともかく、大人の朝のモードはこういうほうがしっくりくるよ。

 

#2 Ophelia

後悔ともう取り戻せない恋人を思って悲しい歌。内容はブルースなんだけど、不思議とポップなコーラスが妙にマッチ。


#3 Cleopatra

アルバムの中で一番ポップな曲。とても好き。こういうのだよね!


#4 Gun Song

ストレート。銃いらない。本当すごくシンプルだよね。当たり前だと思うことが先方ではまた価値観が違うだろうが。

 

#6 In The Light

綺麗なコード進行。

 

#7 Gale Song

戦地に赴いた兵士の歌。反戦ソング。重たくはないけど染みる。

 

#10 My Eyes

憧れの場所で夢破れて変わってしまったあの子の歌。これって東京にも置き換えられるよね。地方出身者にしかない感情なのかもだけど、東京で夢破れて地元に帰って行った知り合いがたくさんいる。なんだろうね。都会って幸せなのかな。それよりも希望がなくなっちゃ終わりだよね。

ハリウッドに憧れて旅だったあの子が全然変わってしまった。あの子はすっかり変わっちまった、なんて事してくれたんだよ、、おおぉー!

 

#12 Where The Skies Are Blue

王道のカントリーロック。なんでアルバムに入れなかったのか不思議なレベル。

#13 Everyone Requires A Plan

山崎まさよしの「全部、君だった」みたい。これも凄くいい。将来、アルバム未収録のBサイド集出たとしたら、無茶苦茶良さそうだなぁ。


■「クレオパトラ」収録曲

1 Sleep On The Floor ★

2 Ophelia ★

3 Cleopatra ★

4 Gun Song ★

5 Angela

6 In The Light ★

7 Gale Song ★

8 Long Way From Home

9 Sick In The Head

10 My Eyes ★

11 Patience

12 Where The Skies Are Blue ★

13 Everyone Requires A Plan ★

14 White Lie

(12~14は国内盤CDのボーナストラック)

The Man Who / Travis (2nd Album)

★★★★★ 現在のトラヴィスサウンドの出発点となった名盤セカンドアルバム。ジャケも素敵。

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1999年リリースのTravis(以下トラヴィス)のセカンドアルバム「ザ・マン・フー」。90's後期UKギターロック屈指の名盤。オアシスの3rd以降UKロック(ブリットポップ)のバブルが弾けて、これからロックはいったいどうなっていくのであろうか?期に発表された、とてもステキな作品。(同じ時期にステレオフォニックスベルセバティーンエイジ・ファンクラブあたりも素晴らしいアルバムを残してる)

 

まどろんで憂鬱で、もやっとした日々の情景を想起させるような音の雰囲気の中に、クリーントーンアルペジオとパキッとしたギターの音色。そこにそっと乗るフランの優しいボーカル。これぞトラヴィス節。好きになれない理由がないのである。

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皆さんとてもお若い!(アナログのスリーブは4人の集合写真で、CDのブックレットはメンバー1人ずつの写真)

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クレジットにノエルとリアム@オアシスの名前が!当時、ノエルがトラヴィス気に入ってたとかでオアシスの弟分!みたいな記事をよく読んだ気がする。今も仲良いのかしら。

 

①④⑤⑥⑦⑧がオススメ。というか、是非アルバムを通しで味わってほしい。

 

#1 Writing To Reach You

 

#4 Driftwood

ザ・マン・フーには、これが入ってるんだもん。なんて綺麗な曲なんだろう。

 

#5 The Last Laugh Of The Laughter

讃美歌みたいな綺麗な曲。

 

#6 Turn ★

一番好き。メロディ、歌詞、演奏、ボーカル全てが好き。全ての人に捧げる希望の歌だ。

 

#7 Why Does It Always Rains On Me?

良い。モラトリアムな日々を過ごす若者へ。実はみんな同じように悩んでて、大して変わらないんだぜ、ってメッセージなのかな。

どうして自分ばかりこんなについてないんだ。周りのみんなは全てが上手くいってるぜって言ってるけれど、僕はそうじゃないし、今夜は全然眠れる気もしない。前は上手くいってたのに、あの日々はどこに行ってしまったんだ、的な。(超意訳)

#8 Luv

ブルースハープの切ない響きから始まってフランがすごくしっとりと歌う、恋の歌。自分の元を離れていきそうな恋人を引き止めないんだけど、本当はまだ未練たらたらで、おまんのこと好きなんじゃぁぁあー!という歌詞。

 

 

アナログはとてもレア盤。見つけたら即買い。(かなりお高いけど)次に出会えるはいつになるかわからない。そんな貴君の背中を後押しするのは、偉大なる先人の金言だ。

「買うかどうか悩むレコードがあるなら、全部買うべし」(by 山下達郎氏)

 

So Much For The City / The Thrills (1st Album)

★★★★★ 夏の終わりにぴったりの、魔法のような素敵アルバム

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アイルランドはダブリン出身の5ピースバンド、The Thrills(以下スリルズ)が残したファーストアルバム。残念ながらバンドは現在活動休止中。活動再開は期待薄(ソロ作品やプロデュース業やってるっぽいし)。活動休止までにスリルズが残した計3枚のオリジナルアルバムの中で、これが一番思い入れが強くて、一番よく聴いている。夏の終わりにぴったりのちょっとおセンチでノスタルジックなメロディに、憧れの場所への思いと今いる小さな街での出来事を綴った歌がたくさん。遠くアメリカ西海岸への憧れがこのアルバムを生み出した。デビュー前の売れないバンド時代、西海岸で4ヶ月暮らしてみたらやっぱり自分たちが鳴らしたい音楽はこういうやーつ!と再確認してバンドは息を吹き返したらしい。(意を決して訪米してくれて本当良かった)


小さな街で暮らす、スーパースターにはなれそうもないごく普通の若者たちが、ここじゃ無いどこかへ抱いた憧れや今の生活への嫌気や諦め、といったリアルな思いが奇跡のような優しいメロディに包まれて、魔法のような素敵なアルバムになっている。

このアルバムで歌われている、現実からの逃避(物理的か精神的かは問題では無く)って、スリルズのようにそれがダブリンやウェストコーストじゃない僕(そしてあなた)にもごく自然に当てはまることだと思う。スリルズは歌詞が少なめで多くを語ってくれないけど、「君の好きなように想いを馳せるがよろし」と言われているようで、それまた心地よい。

 

「夏の終わり×夕暮れ時」にこんなにハマるアルバムはなかなか無い。8月最終日、夏は絶対スリルズで締めくくりたかったのだ。15年経った今も毎年引っ張り出す。届かなかったあの子への想いも、笑い合った仲間との別離も、無限に感じるほどの時間はあるのに結局どこにも行けなかったもどかしさも、スリルズが全部フラッシュバックさせるのだ。

まだ大人ではないけれど、もう子供でも無い人たちが過ごすであろう忘れられない夏には、きっとこんな音楽がピッタリ。年齢は関係なく、嗚呼!夏が終わっていくよー!!という時期に聴いてほしい。(そしてそれはまさに今だ)

胸がきゅーっとなること、間違いなし。

 

①②⑥⑦⑨⑩⑪がオススメ

 

#1 Santa Cruz

 

#2 Big Sur

 

#3 Don't Steal Our Sun

 

ダブリンといえば、映画 once ダブリンの街角で(サントラも素晴らしい)。薄曇り、くすんだ暗い街の雰囲気が印象的。しかも寒そう。でも聖地巡礼してみたい。

No Love Lost / The Rifles (1st Album)

★★★★☆ 知らないままじゃ、聴かないままじゃモッタイ無さすぎる。その名はザ・ライフルズ。英国的王道ギターロックバンドの1stアルバム

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2006年リリースのThe Rifles(以下ライフルズ)のデビューアルバム「No Love Lost」。ジャケットは白だったり黒だったり、複数バージョンあります。

いい音楽演ってるのに、日本ではサッパリ人気の無いバンド。デビュー前なのに、フジロック'06に出たんだよね。観てないけど。立ち会えた人が羨ましすぎる。

プレイボタンを押して、ものの数秒でどこの国のバンドかすぐ分かる、そんな王道UKギターロック(疾走度合い高め)。この後、コンスタントに出てるアルバムたちもとても完成度が高く、どれも安心して聴けます。途中オリジナルメンバーが2人脱退して、2人ともまた戻ってくる、というなかなか珍しいエピソードも持っているライフルズ。現時点で5枚アルバムが出てるはず。

 

中でもまずは、やっぱりファースト。1枚目のアルバムって、そのバンドの初期衝動と下積み時代の引き出しが覗けるのが好き。あと、リスペクトするアーティストの影響も出やすいから面白いよね。「あぁ、スミス大好きだったんだね!」とか、「部屋にはマーク・ボランのポスター貼ってたんだろうなぁぁぁ、げぇりろーぉん!」とか、ついつい色々妄想してしまう。

 

そんなことはさておき、ザ・ライフルズなのである。モロに影響受けてそうなのはザ・ジャム(モッドファーザーことウェラーの叔父貴)だ。曲で言うと、Eton RiflesとかThat's Entertainment。あと、スミスも鳴ってるし、少しだけサブウェイズも鳴ってる気がするのは、デビュー前にツアーのサポートアクトをやってたからかしらん。

 

個人的には、

②③⑤⑦⑩がオススメです。


ソニーミュージックの公式サイト(情報が無さすぎて見ちゃいけないページかと思った。。担当失踪したのかな)を確認したところ、バンドを始めたきっかけはみんな大好きオアシスのネブワース公演を観たことらしいず。もう、それだけでいいヤツだよね。好感度発言。そもそも、ネブワース観れたことが超羨ましい。

 

#2 Local Boy

アルバムの2曲目に入っているとグッとハートを掴まれる系の鉄板メロディ。

 

#3 One Night Stand

これも好き。PV無いみたいだからシングルカットはされてないのかな。

 

#5 Peace & Quiet

これまたよくわかってらっしゃる。誰しも経験したことあるだろう。しかし、この歌詞にこのメロディ使いますか。もはやグッドメロディの大安売り。

パートナーに辟易としてしまったのか、距離置こうぜ、俺は平穏と静かな時間がとにかく欲しいいんじゃい!という歌。繰り返される喧嘩、お前の顔を思い浮かべるだけで憂鬱だ。あぁ!パブ行きてぇ!(最後はやや飛躍しすぎ)

 

#9 Repeated  Offender

ザ・ジャムmeetsオーディナリー・ボーイズみたい。

 

#10 When I'm Alone

嫌いなふりをして気持ちをごまかそうとするクセに、ただの友達だなんて思えない、辛い。でも、行かないでくれぃ!!なんて言えねぇよ、というとてもめんどくさい男心を綴った一曲。いやー若いって素晴らしいですね。

 

アナログはわりと高値。きっと数が少ないんだと思われ。出会えたら即買いが吉。CDならブクオフの200円コーナーにあるかもです。

 

Jake Bugg / Jake Bugg (1st Album)

★★★★★ ヤツこそ音楽の未来(byノエルおじさん)

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天賦の才を授かった若者が颯爽と現れたのは、2012年。

Jake Bugg(以下ジェイク・バグ)の傑作ファーストアルバム。元オアシスのノエルおじさんから「ヤツこそ音楽の未来だ」との御言葉を賜ったジェイク・バグ。(あとでこき下ろされて、心を痛めてしまったらしいけど)それだけハードルを上げられても心配無用。なるほどノエルおじさんと合点のいくアルバム。リリース当時18歳。自習室で受験勉強してた自分とは人生の密度が違いすぎる。天賦の才持ち、神の子Jake Bugg。と、持ち上げすぎも良くないけれど、本当に大好きでアナログもCDも買ってしまった1枚。(だって、国内盤CDにはKentuckyがボートラで入ってるのだ!)
ギター1本にボーカルで畳み掛けるように歌う様から、現代のディランとも例えられたりしてたけど、それは代表曲のLightning Boltのイメージだけな気もする。ディランほど謎解きパズルな歌詞でもないしね。

 

このアルバムを通して歌われるテーマは、主に次の3つ。
・俺はこのどうしようもない町(環境)からいつか抜け出してやる!といった、いかにもワーキングクラスの若者然としたテーマのもの。
・どうかフィクションであってほしいと思わずにはいられない、荒んだ町の出来事を取り上げた、ストーリー仕立てのもの。(生々しい)
・恋の歌。主に片想い。もしくは破局間近の侘しさを綴ったもの。これからもどうぞ宜しくねぇ〜♪みたいなのはありません。(西野さんはプロフェッショナルとして激しくリスペクトしています)

この他、心の弱った乙女に寄り添うよ!的な小憎らしいミドルテンポの佳曲も。


①②③④⑤⑥⑦⑩がオススメ

国内盤ボーナストラックは3曲。
・Kentucky
・Love Me The Way You Do
Green Man

 

4月のアコースティックセットのライブ@恵比寿Liquidroomもすごく良かった。Two Fingers演ってくれたしね!

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「喉の調子が悪いから、とMC少なめでごめんちゃい」とかボソボソ言ってて、不覚にもキュンとした。あんなんズルい!また来て!

 

#2 Two Fingers

生まれ育った街を離れてしばらく経って、少しずつ変わって行く自分と故郷の街。変わらない悪友や、二度と会いたくない義父。良い思い出よりも悪い思い出の方が多い。もう戻れないだろう。俺は進むヨ、アバヨ!的な。

 

#1 Lightning Bolt

ジェイク・バグといえば、思い浮かぶ代表曲。何度でも言うが、当時18歳なんて信じられない。

この町で老いるなんてゴメンだ、いつかチャンスを掴んでこの町を出て行くぜ!的な。

 

#7 Broken

届かない想い。どうにもならなさそうな片想い。坊やだからさ。

終盤の咆哮「うぉ〜う、うぉ〜う、うぉ〜ぉう」のとこがとても好き。

 

#6 Country Song

どうか戻って来て!と願いながらも、きっと彼女はもう戻ってこないよなと思いつつ、想いを綴るおセンチな歌。

 

#5 Simple As This
大切な人はずっと近くで自分を待ってくれてたのに、バカな俺は気づくことはおろか、なんて無駄な時間を過ごしていたのか。。的な。ミドルテンポで優しいボーカルが素敵。

 

#11 Someone Told Me
俺の好きな子に好きな奴がいるって、誰かに言われて、ブロークマイハート!おお、辛いーー!!泣くしかなかったず!というブルース。ド直球。

 

 

ライブ動画も発見!ありがたや。

 

 

 

 

Know. / Jason Mraz (6th Album)

★★★★★ 抜群の安定感。尽きることのない美メロ。才能に嫉妬。

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インディロック平野から飛び出して、メインストリームのポップスを。ジェイソン・ムラーズはやはり凄かったというお話。

 

アナログとCDで悩んだシリーズその2。タワレコの輸入盤安くなるキャンペーンのコスパに負けてCDにしました。余談ながら、何気にタワレコはアナログの取り扱いも増えてて、時に掘り出し物があったりするのです。売れ残ったオリジナル盤が人知れず眠ってたり。定期巡回がオヌヌメです。

タワレコの手書きポップ風にいうならば、①②③④⑥⑦⑧⑩オススメ!!

 

#1 Let's See What The Night Can Do
真夜中ヘッドライトの光の中で、砂漠へ出かけて砂埃の中でダンスしよう!君と迷子になりたい、君と一晩中過ごしたいのです。あぁ、その夜なにができるか、一緒に過ごして確かめてみようず!

のっけからなんてロマンチック!なんたる素敵男子!そりゃモテるわい!


#2 Have It All
このアルバムのリードトラック。2曲めはこれぞムラーズ節。たたみかけるような歌メロ。

コーラスは真夏のビーチフェスとかで大きい声で歌いたくなる。

 

#6 No Plan
今日はノープランさ、君を愛すること以外は。どこか出かけたいかい、ベイビー?
なんてpeaceful!なんてスィート!助平!

 

#7 Sleeping To Dream
ツアー先で嫁さんを思って書いたのかな?甘い甘すぎるぞムラーズ!

 

#8 Making It Up
ムラーズ流の人生賛歌と受け取りました。こんな底抜けな人生賛歌があったっていいじゃないか。人生はたしかにつらい、けどきっと大丈夫だよ、今夜は一緒にいるからさ、僕らは作り上げるんだ、自分の人生を!的な。(個人的な意訳につき、間違ってたらすまんこってす)

締めくくりの10曲目"Love is the answer"は、恐らくムラーズ流のall you need is loveだと推察。

 

こんなに愛と幸福が溢れまくってる音楽、悔しいが完敗。ただただ心地よい。余裕と落ち着きが同居しつつも、たまに弾けるポップネス。嗚呼、本物の才能って枯れないんですね。初めて聴いたのに、これ前に聴いたことある(気がする)!と何回も感じた、勿論いい意味で。つまりはムラーズ節全開なのである。溢れ出して止まらない、だだ漏れ状態。別にインディロックだメジャーだって、ジャンルやカテゴリに固執する必要なんてなくて、気持ちのいい音楽ならそれでいいと思うのだ。(当たり前だ)

 

クレジットにはdedicated to my darling wifeの文字。だよね、そりゃ最愛の妻に捧げちゃうよね。

完敗、ご馳走様でした。

 

Trouble Will Find Me / The National (6th Album)

★★★★☆ じわじわ系のスルメ盤

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The National(以下ナショナル)の2013年リリース、6枚目のアルバム。USオルタナの重鎮バンドと聞くと浮かぶのはソニック・ユースR.E.M.ダイナソーJr.あたりだけど、5年後にはナショナルもランクインしてそう。ひょっとしてもうしてるのかも。そんなバンドです。

 

出世作Boxerよりももっと落ち着いた雰囲気のアルバムで、全編を通して音数少なくて、無駄の少ない大人のロックバンドの雰囲気がぷんぷん。渋いおっさん声のボーカル(マット・バーニンガー)が、ボソボソゆらゆらとメロディの一部を担うように歌う。その後ろのメンバー(特にリズム隊)の演奏が上手い。テクニカルというよりもニクい(ひょっとして死語?)感じなのだ。音楽分かってる玄人おじさんが脇固めてます。ミニマルでいて、行間というか、音の先の景色は聴く人に委ねる余裕。渋い。渋くてすごい。大人になって良さが分かるようになった。ナショナルはそんなバンドです。

 

本国アメリカやヨーロッパでは、USインディ、ポストロックバンドとして認知度はすごく高い(らしい)のに、日本ではさっぱり。こういうバンドがゴロゴロしてるのがアメリカの懐の広さでしょうか。聴かないままじゃもったいない。(次作のSleep Well Beastグラミー賞ノミネートもされたぐらいなので、認知度は言わずもがな)

眠れない夜に、部屋でじっくり聴きたいアルバム。でもちょっとおセンチになって、もやもやと色々考えちゃいそうでもある。

 

この曲とても好き。

Graceless

 

アルバムラストのこの曲が一番好き。歌詞が切ない。愛と喪失のストーリーだと解釈。(間違ってたらすまんこってす)

Hard To Find

 

#10 I Need My Girl

ローレン!(チャーチズ)

 

ボーカルのマットがチャーチズの最新アルバムにゲスト参加してた。ローレン嬢はやはり可愛い。

My Enemy (Chvrches)

Good Times / Mando Diao (8th Album)

★★★★★ マンドゥのグッドタイムスは今だった模様。ロックンロール・リバイバル世代必聴の1枚。

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2017年リリース、Mando Diao(以下マンドゥ)の8枚目のアルバム。ジャケットは相変わらずのご乱心路線ですが、過去2枚と比べれば可愛いもんだ。(裸族路線は同じだけど、写真じゃなくてイラストだもんね)

ただ悲しい哉、マンドゥ・ディアオの新譜が良かったなどと、2018年に生きる人々に話そうもんなら、大体のリアクションはこう。

「昔出た、1st良かったよね、黒いジャケのやつ!聴いてた聴いてたー!へ?まだやってんの??」

「Sheepdogだっけ?いぇいぇっいぇー!みたいな曲聴いてた聴いてた!へ?まだやってんの?」

 

栄枯盛衰、諸行無常。でもどうか、このアルバムに入ってるこの曲たちを聴いてみてほしいのだ!

All The Things

 

Good Times

どうだろう。思ってたよりロックンロールしてなかっただろうか?そう彼らは、死んでなかったのである。中心メンバーのグスタフが脱退しちゃったり、全編母国スウェーデン語で歌うアルバムを作ったり、全裸で尻だししてみたり、半裸で頭にハッパさしてみたり、だいぶ迷走した感のあるマンドゥだけど、今は違うのだ(たぶん)。10年前と違って、若さゆえの性急なビートでつんのめるだけのバンドじゃなくなったのだ。今の彼らにはソウルがあるのだ。

今年1月の渋谷クアトロの来日公演が本当に本当にカッコよくて最高で、それがこの激プッシュのキッカケ。(このあいだのサマソニのノエルまでは個人的には今年のベストライブだったくらい。比較対象はPains of Being Pure at Heart、Paul WellerくるりPhoenix、Jake Bugg、アジカン)

ライブ自体、お客さんは400人くらいだったと思う。間違いなく1,000人は入ってない。年明けの仕事始まりの月曜夜っていう日程も動員に影響したと思う。いや、そう思いたい。

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最初革ジャンだったのに、すぐ裸。

 

ただ、あの夜、渋谷クアトロに集まった幸運な人達はみんな、今のマンドゥもめちゃくちゃカッコいい事を再認識したと思うし、だからこそ忘れずに激プッシュしようと思うのだ。

 

Shake

アンプラグドバージョンも。良い。

 

Cool Like You / Blossoms (2nd Album)

★★★★☆ メロディセンスはそのままに、よりダンサブルになったブロッサムズ。

Blossoms(以下ブロッサムズ)のセカンドアルバム。11月(東京 11/7)の来日公演に向けて、そろそろ予習も兼ねて引っ張り出した。

輸入盤CDにはデラックスエディションがあって、アルバム曲のアコースティックバージョンが収録されたDisc2がついてくる。と言いつつ、国内盤もボーナストラック扱いで同じ内容らしい。こういうサービス精神はとてもありがたい。アナログでもやって欲しい。(ひょっとしてあるのかな)

エレポップ調にブロッサムズが大転換!驚き!って、いろんなとこで書かれているけど、そんなに大きな変化ではないかな、というのがこの2ndアルバムの個人的な感想。デビューアルバムの前作でも普通にシンセが入ったキラキラした曲もあったしね。
ブロッサムズのこのアルバムのいいとこは80'sライクなエレポップに振り切りすぎてないところだと思う。取り敢えずシンセ入れときゃいいだろ!みたいなバンドがたくさんいるなかでとてもバランスが良いのです。

There's A Reason Why (I Never Returned Your Calls)



Talk Tonight
バーのチョイスも渋い。(アルバムには未収録)ノエル兄貴のしっとり弾き語りチューン。

オアシスのカバー。ノエル聴きたくなってきた!